日の丸液晶メーカーへの失望は、徐々に怒りになりつつある。

 10月15日、液晶パネルの専業メーカーであるジャパンディスプレイは、3月の上場以降で2度目となる業績予想の下方修正を発表した。今期の売上高は7400億円(当初比100億円減)、最終損失は100億円(同368億円減)となり、あろうことか1年目から赤字転落することになった。

900円で売り出された株価は、大きな上昇を見せることなく下落を続けている
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 同時に小ぶりな生産拠点の深谷工場(埼玉県)も閉鎖を決めて、特別損失70億円も計上した。

 もちろん株価は翌日から急落。現在は340円前後で推移(10月23日時点)。公開価格の3分の1近くまで落ち込み、会社のルーツ(東芝、ソニー、日立製作所)となった大手電機メーカーの関係者からも、「愛着があって株を買ったが、処分してリクルートに乗り換えた」という、何とも冷ややかな声が漏れ聞こえている。

 同社によると“見込み違い”が起きた原因は主に二つだ。

 一つ目は、売上高の40%近くを支えてきた最大顧客でもある米アップルへの出荷遅れだ。

 ジャパンディスプレイが得意とするのは、スマートフォン向けの小型液晶パネルの中でも、高精細な低温ポリシリコン(LTPS)というハイエンド製品だ。

 ところが、最新のiPhone6、iPhone6プラス向けでは、中国企業でバックライトの不具合などが発生。出荷スケジュールがずれ込み、第2四半期に見込んだ売り上げや利益が目減りした。