老後資金としてまずまずの金額だ。ワークを行った社員に感想を求めたら、20代は「結構貯まるものですね」とうれしそうに笑顔で答える。しかし40歳前後の男性社員は、隣の人と顔を見合わせて暗い顔をしている。理由は尋ねるまでもない、独身の20代と違って毎年200万円を貯めることの難しさをよくわかっているからだ。

 そこで私が「これは高校まで公立のケースなので、中学から私立に行くとまったく別の結果になります。お子さんが2人いて2人とも私立に通うことになると、年間200万円を超える教育費がかかりますから、今200万円貯められていない家計はきびしい状況となりますね」とコメントしたら、40代は青ざめてしまった。

 先と同じ条件で毎年100万円貯蓄を続けていくとどうなるかというワークも行った。60歳時点の貯蓄で住宅ローンの残りを一括返済すると、ほとんどお金が残らない計算になるので、老後資金は退職金のみの結果となった。その会社は退職金が少ない代わりに給与水準が高いので、老後資金が退職金のみでは心許ない。

 30代、40代に感想を求めると「うちの会社の給料なら子どもを私立中学に通わせるのは何のことないと思っていました。でも、よく考えないといけないんですね」としみじみ言っていた。

「子どもが合格したら私も働く」という
妻の言葉は空手形になりがち

 私立中学受験に臨むきっかけは、親の意向だったり、子ども自身が希望したり、家庭によりさまざまだ。妻が「自分が私立でのびのび楽しかったから、子どもたちも私立に」と言ったとき、夫は「同僚の子どももみんな私立だから、お金のことは何とかなるだろうな」と安易に決めてしまうケースをよく見かける。

 今の40代が中学生だった頃より教育費は確実に高くなっているし、私立に通わせている同僚の家計は、実は火の車かもしれないが、外からではわからない。何となく決めるのではなく、かかる費用を調べたうえで「わが家の家計」に照らしあわせて検討することが肝心だ。