そこで、ビールユーザーが何を考え、どのようなニーズが存在しているのか。寺門さんは需要性調査を実施。その調査結果は予想していた以上の手ごたえのあるものだったという。

50代以上の層に
予想を超えた「アンチ発泡酒・新ジャンル派」が

 いくつかのQのアンサーを年代別に紹介しよう。まずは「発泡酒、新ジャンルを買わない」という人の割合は、20代の10%台に対し、50~60代では約30%。3倍もの差で50代以上の層にアンチ発泡酒・新ジャンル派がいることが判明した。

 しかし、同じく50~60代の約4割が「健康系のビールが気になる」とも回答。「ビールの味にこだわりつつも、機能性ビールにも関心がある」層はやはり確実に、そして予想以上に多く存在していたのだ。一方で50~60代の4割強が「ビールの味にうるさいと思う」と自認。この世代の多くがビールに強いこだわりを持ち続けていることも実証された。

 同調査で「健康志向の高い50代以上のビール好き」というターゲットの存在は確認できたものの、「非常に手ごわい層であることも判明しました」と寺門さん。相手は、今まで発泡酒・新ジャンルに手を伸ばしたこともなければ、機能性ビール類を飲んだこともない。あるいは一度は飲んでも納得いかずにビール回帰をした、鋭敏な舌を持つ人たちである。

「他の機能性商品と比較して美味しい」ではダメで、「飲んでも糖質オフと気づかない」ものを目指す。山口さんが「ムチャ」とも感じた、高いハードルを掲げるに至ったのも、必然の流れだったのだ。

 ここから“究極のオフ”ともいえるビールを実現するべく、開発がスタート。山口さんに課せられた命題は大きく分けて2つあった。