甘すっぱくてさわやかなおいしさの乳酸菌飲料として、100年近く愛され続けている「カルピス」。その「カルピス」の原料である生乳で作られるバターがあることをご存知だろうか?
その名も「カルピス(株)特撰バター」。昭和38年の発売というから、すでに歴史は50年。当初は業務用としての販売のみで、一流フランス料理店のトップシェフたちに、口外することのない秘伝の味として重用され、 “幻のバター”と言われてきた。
その幻のバターを味わう機会に恵まれた。大阪・梅田のアサヒ ラボ・ガーデンで、『幻のバター「カルピス(株)特撰バター」と過ごす至福の時間』と題するセミナーが開かれたのだ。
「カルピス」と同じ、新鮮な生乳から作られるバター
セミナーが行なわれたのは11月14日。参加者の多くは女性だ。女性たちの熱い視線の中、「バター王子」ことカルピス株式会社乳品事業部の小峰順一さんと、広報・CSR部の佐野公美さんによるセミナーが始まった。
そもそもなぜ「カルピス」からバターができるの? というのが筆者の素朴な疑問だったのだが、これは間違い。新鮮な生乳から脂肪分を取り除いた脱脂乳に乳酸菌を加え発酵させたものが「カルピス」となり、脂肪分がバターになるというのが正解だった。つまり「カルピス」と「カルピス(株)特撰バター」は、同じ生乳を親とする姉妹のようなものだったのだ。
ではなぜ、おいしさ・伸び・色・つや等のすべての面で高品質と言われるの? という参加者からの問いには意外や「うーん、特別なことはしていないんですけどねえ」という小峰さんの答え。あれれ、ここで薀蓄が雨あられと降り注ぐかと思ったのに。ところが話を聞いていくうちに、カルピス社のみなさんの「普通」がただの普通ではないことがわかってきた。