“すずかんゼミ”20周年に
教え子が福島被災地で新たな挑戦
こんにちは鈴木寛です。
大河ドラマ「花燃ゆ」は、松下村塾に後の伊藤博文ら新顔も加わって軌道に乗ってきましたが、吉田松陰を「社会イノベーター養成者」のお手本と仰ぐ身としては、松陰と弟子たちが学び舎で日本の将来を熱く語り合う様子を毎週見ながら、“すずかんゼミ”で歴代の教え子たちと熟議した日々に重ねあわせています。
今年は、山口県勤務から戻った私が、通産省在職中、初めて若者ゼミを立ち上げてから20周年に当たります。さる2月7日には、歴代の教え子が再結集し、現役のゼミ生たちと一緒に20周年イベントを都内で開催しました。一般的にそうした行事は、同窓会になって旧交を温めるパターンですが、そこは、思考停止の前例踏襲を強く戒められてきた教え子たちが開催していますので、「熟議カケアイ」「異世代対談」「プロジェクト・ベースド・ラーニング」といった、学びを振り返る企画を次々に仕掛ける勉強会となりました。
すずかん若者ゼミで初代塾長を務めたヤフーCOOの川邉健太郎さんをはじめ、多くの教え子が忙しい中に駆けつけて、私も立派になったOB・OGの姿を見るにつけ、「出藍の誉れ」を実感することができました。
さて、このたび、すずかんゼミから、日本を先導するソーシャルプロデューサーが新たに誕生しました。私が通産省を辞した後、慶應SFC助教授のときのゼミ生で、文科省に勤務する南郷市兵さんです。4月から福島県広野町に開校する県立ふたば未来学園高校の副校長として文科省から出向することになり、朝日新聞の「ひと」や読売新聞の「顔」で相次いで取り上げられ、小泉進次郎・復興政務官のFacebookページでもご紹介いただきました。
文科省の歴史の中でも、現役官僚が高校の管理職に就くのは初めてのことです。異例の人事で注目されているだけではなく、小泉政務官が南郷さんについて「数え切れないほど東北に足を運び、誰よりも多く被災地の子どもたちの声を受けとめてきた」と評価されたように、まさに被災地の教育を復興するべく先頭に立ってきた功績があります。