東京五輪に向けた5年間の中期経営計画を発表した藤田観光。売上高880億円、経常利益48億円の達成に向けて、具体策を聞いた。
──4月末、新宿・歌舞伎町に大型ホテルをオープンします。ビルに備え付けられた原寸大のゴジラのオブジェが海外にも広まり、早くも話題になっていますね。
970室を持つ宿泊主体型のホテルグレイスリー新宿を開業します。併せて約1600室ある新宿ワシントンホテルの大型改装も始めます。両ブランドの宿泊事業は絶好調。東京五輪に向かって大型投資が先行します。
2012年ごろから、ビジネスホテルの使われ方に変化を感じています。都市型観光をするお客さまや外国人旅行者がどんどん増えてきました。この需要を取り込むため、広く明るい色使いのツインルームを増やし、独立型浴室や大型ベッドを導入しています。
両ブランドのホテルで30年ぶりに海外進出もします。18年夏にソウルに出店するほか、シンガポールやバンコク、ジャカルタにも出店を検討中です。
── 一方で、ホテル椿山荘 東京と太閤園(大阪府)を拠点とした婚礼事業が振るいません。
結婚する人そのものが減っていますから、ビジネスモデルを転換しないといけない。バブル期は年間3700件を扱っていましたが現在は2700件程度。かつてのように数を追うことはできません。
とはいえ、2拠点以外における事業としての拡大展開がなかなか描けないのが悩みどころです。椿山荘は13年、フォーシーズンズホテルと提携解消した影響も、想定以上に大きかった。宴会場は婚礼ありきではなく、法人や家族の集まりなど多方面に利用していただけないかと画策中です。
その一方で1月、広島県の婚礼プロデュース企業を買収しました。施設を持たずに婚礼ビジネスをどうやって拡大展開していくか。特に地方都市で何かできないかを考えています。