35歳のとき、会社を辞めるべきかどうかで悩んでいたとき、「エツコなら大丈夫!」と言って背中を押してくれた友人がいました。ブログコミュニティ『はぴきゃり』を一緒に立ち上げてくれた後輩がいました。サイトが立ち上がるまで週末ごとに手伝ってくれた友人もいました。わからないことがあるとき、いつも相談に乗ってくれる先輩もいます。そんな彼らはことあるごとに「大丈夫、エツコならできる」と応援してくれ、そのときどきで必要なアドバイスをくれたり、人を紹介してくれたりと、いつも見守ってくれています。
でも、彼らから仕事をもらったり、出資をしてもらったりしているわけではありません。あくまでも、「ファン」として私の挑戦を楽しんでくれているんです。だからこそ、私も本音で相談できるし、不思議とつらいな、きついな、というときに連絡をしてきて励ましてくれます。そんな彼らから「それ、いいじゃん!」と言われると、それだけでとても元気が出ます。彼らはいわば私のメンター。彼らの存在なくして、今の私はありません。
人脈とは自分が本当に困ったときに
一肌脱いでくれる人のこと
あるイベントでお会いした元パソナ社長の上田宗央さんが「人脈とは自分が本当に困ったときに一肌脱いでくれる人のこと。それ以外は単なる知り合いだ」とおっしゃっていました。では、そんな人脈を作るにはどうしたらいいのでしょうか? その問いに、「自分も一肌脱ぐこと」と上田さん。このお話にとても共感しました。人間、自分の利益にならないことには腰が重いもの。だからこそ、窮地に追い込まれたときに一肌脱いでくれた恩は決して忘れることはありませんから。
私自身、頑張っている人が私や私の持つリソースを求めていれば積極的にお手伝いしようと常日頃から思っています。もう6年も前のことになりますが、私がまだ『ウーマンtype』を立ち上げて間もない頃、独立されたばかりの美容内科の先生を友人から紹介されました。
今、アンチエイジングドクターとしてテレビや雑誌で人気の恵比寿アンチエイジングクリニック院長、青木晃先生です。防衛医大で内科医として主に糖尿病の研究をされていた経験を生かし、外側からだけでなく、女性が内側から美しくなるお手伝いをしようと、これまでのキャリアをあっさりと捨て、独立されたばかりでした。その頃はまだアンチエイジングという言葉が今ほど一般的ではありませんでしたが、青木先生の考え、そして成功が保証されているわけではないのに、自分を信じてチャレンジされている姿に共感し、知名度にとらわれず度々本誌にご登場いただきました。
その後に知ったのですが、独立され、初めてメディアに出たのが『ウーマンtype』だったそうです。お会いするたびに、そのことを感謝してくださるのですが、むしろ私の方が『はぴきゃり』を立ち上げたときに各方面にお声かけをいただいたりと、多大なるご協力をいただき、本当に有り難く思っています。
利益でつながった縁はもろい
でも、ここで大切なのは見返りを期待しないこと。利益でつながった縁はもろいものなのです。金の切れ目は縁の切れ目です。
ワラシベ長者の話を聞いたことがあると思います。自分の持っているものを欲しがる人と物々交換していったら大金持ちになった、という昔話ですが、自分の利益ばかり追いかけている人よりも、自分と同じぐらい他人の利益も大事にしている人のほうが成功には近いようです。あなたには真の人脈は何人いますか?