カッシーナのような若者向け高級家具店と
爆買い観光客向け店のツーブランド戦略も面白い
A.大塚久美子社長は、真面目で勉強家で合理的な考えができる人です。ですから、大塚家具が再び成長軌道に乗る確率は高いと思います。
しかし、再生の決め手となる鍵があるといった単純な話ではありません。
今後の大塚家具の目指す方向性としては、大塚家具の伝統的高級志向ブランドを活かしつつ、中国などアジアからの観光客をターゲットとする、インバウンド観光に伴う販売拡大に焦点を当てるべきでしょう。
大塚家具が扱うような高級な家具は、高額であるように思えますが、中国国内で買うよりは大塚家具で買った方がずっと安く、しかも品質面などに関しても安心・信頼して買えるはずです。こうした富裕層をターゲットにしてた販売戦略に注力すれば、大塚家具は息を吹き返すはずです。
もっとも、それと並行して国内顧客向けの販売の活性化も必要でしょう。ニトリやIKEAなどの価格の安い家具大手は、利益率が低いことからスケールメリット、つまりたくさん売ることが必要となります。店舗網の拡大、人件費の拡大などリスクが増大する割に、利益は大きくは伸びません。
そうした方向よりも、イタリアの高級家具のCassina(カッシーナ)のような富裕層から、比較的金銭的に余裕がある若者にまで客層を広げて認知されるような、新しい高級ブランドを構築していくべきでしょう。