外国人観光客が去年日本で
使った金額は2兆305億円

 日本政府観光局(JNTO)は1月20日、2014年1月から12月の間に日本を訪れた外国人観光客の人数が、前年比29.4%増の1341万4000人となったと発表しました。これまで過去最高だった13年の1036万4000人を300万人上回ったとのことです。

 国・地域別の訪問者数では、首位が台湾で282万9800人、続いて韓国が275万5300人、中国が240万9200人であり、伸び率では首位が中国の83.3%、2位がフィリピンの70%、3位はベトナムの47.2%と、いずれも近隣アジア諸国からの訪日観光客が急増していることを示しています※1

 主な要因は、円安進行で日本への旅行が一段と割安になった他、東南アジアの訪日ビザ緩和や羽田空港の国際線増便、そして、昨年10月、訪日観光客に酒類や化粧品を含め全ての商品に消費税免税の適用が拡大されたことも、海外からの買い物客呼び込みに拍車を掛けたと推測されます。

 14年4月からの消費税率アップと、急激な円安による輸入原料の値上げなどで依然景気が低迷する日本経済において、訪日外国人観光客による「インバウンド消費」が今、とても注目されています。昨年12月に「日経MJ」が発表した「2014年ヒット商品番付」でも、「インバウンド消費」は東の横綱に選定されていました。

 一方、観光庁が同日に発表した「訪日外国人消費動向調査」※2によると、訪日外国人の消費総額も、前年比43.3%増の過去最高の2兆305億円に上ることが分かりました。1人当たり訪日外国人旅行消費額は、前年比10.7%増の15万1374円でこちらも過去最高。国籍・地域別では、中国が対前年比2倍を超える約5600億円で、総額の4分の1を超える額を占めた他、タイ、台湾、マレーシアも対前年比で大きく数字を伸ばしました。

 中でも目を引いたのは、項目別に見た旅行消費額で、前年は第2位だった「買い物代」が、今年は「宿泊費」を上回って第1位となったことです。

 日本百貨店協会によると、14年は、免税対象範囲が拡大した10月以降、インバウンド効果が特に大きく、訪日外国人による売上高は09年1月の統計開始以来、初めて単月で100億円を突破、年間の訪日外国人売上高も前年から倍増したとのことです※3

※1 日本政府観光局(JNTO)2015年1月20日発表
※2 観光庁「訪日外国人消費動向調査2014年 年間値(速報)」2015年1月20日発表
※3 日本百貨店協会「平成26年12月 全国百貨店売上高概況」2015年1月19日発表