管理職はもともと
セクハラやパワハラの一大予備軍

筆者 会社の管理職にも、それに近い姿勢があるかもしれませんね。

設楽 その通りですよ。管理職はもともとセクハラやパワハラの予備軍で、誰もがその潜在的な可能性があるわけです。だから管理職ユニオンでは、その予備軍に対し、教育をビシバシ行うわけです。

 管理職は、自分が偉いと思い込む傾向がありますが、「部長」という役割をしているわけであり、それ以上でもそれ以下でないのです。ところが大きな誤解をする。俺の力でどうにでもなる、と思い込むのです。まさに「俺は部長だ! 部長として君に声をかけている。話を聞け!」となる。その錯覚とセクハラ、パワハラは表裏一体なのです。

筆者 管理職ユニオンに相談に来る管理職たちは、「役員たちに『辞めろ!』と言われている」と、設楽さんたちに泣きつくわけですね。その惨めな姿も、表裏一体ではないでしょうか。

設楽 まさにその通りで、問題の本質はそこにあるのです。管理職という、ある意味での権力を失えば元気がなくなり、それを手にすると部下たちに尊大に振る舞い、威張るのです。その意識こそが問題なのです。

筆者 自分の権威や力、地位を確かめるのが、常に会社での評価や処遇というのが悲しいことですね。会社に対し、意識の面で対等ではないから、たとえば不当な行為を行う上層部に対し、異議を申し立てることもできずに、泣く泣く辞表を出すわけですね。時代感覚がずれている気がします。その意識のまま「解雇規制の緩和」なんて議論をするから、事態が深刻になるのでしょう。

設楽 だけど、それが20~60代までの多くの会社員に言えることなのです。人は会社を離れた「すっぴんの姿」がどうあるべきかを、考えなければいけない。その謙虚な姿勢のない人が、セクハラやパワハラなどのハラスメントを起こしやすいのです。

筆者 ところで、労働側の弁護士などを取材すると、十数年前からよからぬ話を聞くことがあります。「会社は社員をリストラするとき、セクハラを口実にすることがある」ということです。