フューチャーマッピングは望むべき未来を出現させる
私は今から約10年前、この「フューチャーマッピング」という手法の元型に出会った。当時、運良く神田昌典氏と直に会ってお話をする機会があり、願望を現実化させる方法を教えてもらった。
「ナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』は知ってる? あれには、一つだけ間違っていることがあるんだ。それは現在の状態で願望を考えること」と神田氏は話しはじめた。「何か叶えたいことがあったら、現在の状態で考えるのではなく必ず想像ベースで未来に行き、ありありとその姿を考えることが一番重要なんだ」と教えてくれた。
あれから約10年が過ぎ、いくつかの失敗と厳しい壁にぶち当たった。しかし、あの時の教えでいくつかの事業を立ち上げ、ゼロからイチへと成功につなげることができた。苦しい時や未来に不安を感じる時、心の支えとなってくれるのは、自分の手から生まれた一本の線(ライン)とチャートだ。その線は、自分自身が飛躍するための未来を物語り、行動への一歩を踏み出すことができる。
私はまだ10年前に思い描いた未来には届いていないが、確実に望ましい未来へと足を踏み入れている。当時の私の想いは、「加速的な読書法が広がれば、一人ひとり才能を認め合う社会ができて、戦争がなくなる」だった。いま、さまざまな読書の場が広がり、新しい価値を生み出す風土ができつつある。私もこの「フューチャーマッピング」の原理を使い、「レゾナンス・リーディング」という新しい読書法を生み出すことができた。本から1枚のマップを描き、著者と共鳴し、著者に成り切り、自分自身の悩みや課題の解答やヒントを得るという読書法だ。著者と未来の自分と共鳴することで、自分の隠れた才能を発見することにつながり、一人ひとり才能を認め合う場ができている。
ぜひ、みなさんも本書を通して、「フューチャーマッピング」を描き、行動シナリオを生み、「ストーリーの力」を活用して、自分の課題や目標に対して一歩を踏み出してほしい。