2つ目のポイントは名刺交換の有無だ。候補者として面接の場に出向き、面接担当者の社員と名刺交換するケースはどのくらいあるだろうか。私は面接をする際には必ず名刺交換をしているが、実は名刺交換をしないケースが多く、名刺交換を勧めても抵抗感を持つ担当者が多い。理由を聞くと、「当社の取引先ではない」「見も知らぬ方と名刺交換して悪用されては困る」「面接で落として恨まれたらたいへんだ」というものが挙がった。

 私が思うに、候補者は、ビジネスの取り引きがなかったとしても、当社においでいただいた、れっきとしたお客さまであることに違いない。お客さまとは名刺交換することが常識だ。

 候補者は確かに初めて会う人かもしれないが、面接までの間に、人材紹介会社によるスクリーニングや書類のレビューが終わっているわけなので、それでも悪用されることを恐れるのであれば、むしろスクリーニングやレビューの精度を高めることを考えるべきだ。

「面接で落として恨まれたら困る」と心配するのではなく、恨まれるような面接をすること自体を問題視すべきだろう。面接で通過しない候補者には、なおさら、「これをご縁に当社のファンになっていただく」という気概でコミュニケーションをしていくべきなのだ。

 面接に出向いて、面接担当者が名刺を出してこない会社は、リスクが少しでもあればアクションを躊躇する、事なかれ主義体質の会社と言わざるを得ない。

1対多数の面接をする会社は
顧客志向が低い

 3つ目は面接の人数。面接に出向いて、候補者1人に対して、面接担当者が数人参加するケースに出くわした経験をお持ちの方も多いのではないだろうか。こちらは1人なのに、3人以上もの面接者に囲まれるのは、気持ちの良いものではないだろう。

 採用担当者側から見れば、何度も足を運んでもらうより、1度の面接で済ませた方が、候補者の労力も少なくて済むだろうし、会社としての効率もよいと考えてのことだろうが、候補者としっかりと向き合って、深く面談することが難しくなる。1対多数の面接をする会社は、候補者への思慮よりも、効率性を追求する会社であり、顧客志向に限界があると思われる。