有沢 次にポルトガルに行くと、ここにはそもそも人事マネージャーがおらず、評価システムもありませんでした。評価システムは全世界で統一すべきなので、世界を回って状況を確認した上で、人事マネージャーやディレクターを採用しました。その人たちに責任をもっていろいろな制度を導入してもらうために、業績評価システムを用意。最初のうちは反発も多かったので、年に2~3回は現地に行って面談をしましたね。

 日本においてはトップから変えるべきだと考えて、まず役員報酬制度を変えました。それまで存在しなかった評価制度を導入し、報酬も変動部分と固定部分を見直して、変動部分の割合を大きくして。2013年からは、仕事の大きさと難易度、役割によって給与を決める、ジョブグレード制も導入しました。

南 最近ではソニーさんも年功序列を廃止してジョブグレード制を導入しましたね。

有沢 そうですね。カゴメはポテンシャリティーが高い企業なので、面白いことはいくらでもやらせてもらえます。加えて、みんなの理解力もすごく早い。いいと思ったことに対してはあまり反対がないんですよね。

南 全従業員が比較的柔軟に順応している状況でしょうか?

有沢 はい。カゴメという企業の体質はとても誠実です。社員は皆、人を信じるし、正直。とても優しい人が多いので、怒鳴り声なんて聞いたことすらありません。最初はそこにカルチャーショックを受けたほどです。だからこそ、この人たちを守るためには今の制度だと守りきれない、やるなら今だと思って、入社直後というタイミングで思い切りました。

カゴメは「開かれた企業」
外部登用に柔軟です

南 有沢さんをカゴメに招聘したのは社長ですか?

有沢 当時社長で、現在は会長の西です。西はプロパー主義ではなく、必要な人間がカゴメにいないのであれば、外から雇用することに抵抗がありませんでした。実際、現在中途で入社した役員が私を含めて5名在籍しています。

南 そんなにいらっしゃるんですね!

有沢 そうなんです。企業理念である「開かれた企業」をまさに実践していると思います。

南 いわゆる日本企業とはイメージが違いますね。