エムエスアイコンピュータージャパンの「X340」は、極薄で大画面液晶を搭載、しかも低価格で高性能と、ネットブックに負けない付加価値を実現。

 エムエスアイコンピュータージャパンの「Xシリーズ」から、驚くべきモバイルノートが誕生した。最厚部でも20ミリを切る極薄のボディで、約1.3キロの軽さ、かつ液晶は13型と、モバイルノートとしては大画面だ。

 バッテリー駆動がカタログ値で約3.5時間と長くないのが欠点だが、それにしてもよくできている。

 驚くべきが価格で、上位モデルの「X340 Super」が9万9800円、スペックが若干劣る下位モデルが8万4800円だ。HPからも安価なモバイルノートが登場しており、これらいわゆるネットブックではない、本格モバイルノートが、ついに価格勝負に入りそうな様相を呈しているのだ。

 そもそもネットブックには、いくつかの制約があって、CPUやハードディスクの容量などが決まっている。だから、ほとんど同じスペックの小型ノートばかりが、店頭に並んでいるのだ。

 今回取り上げたのは、本格モバイルノートなので、ネットブックが抱えるような制約は、当てはまらない。もちろんCPUは、ネットブック向けのAtomではなく「Core 2 Solo」を採用している。

 昨今、ネットブックが市場の2割を占めるほど売れに売れた結果、大きな影響を受けているのが本格モバイルノートだ。メーカーにヒアリングすると、「台数は落ちていない。ネットブックは別の市場で売れている」という声も聞かれる。

 だが、現実的に価格は大幅に下落しているから、影響は少なくない。たとえば、人気モバイルノートの「Let's note」シリーズも、実売価格は以前に比べるとかなり値下げされるようになっている。

 モバイルノートが高いのは、当然ながら生産コストが高いからだ。ボディには軽量のマグネシウムやカーボンを使い、「1グラムでも軽く、1ミリでも薄く作って行こう」と、メーカー各社は苦心を重ねている。

 また、持ち歩くことから堅牢性に力を入れ、落下テストなどにこだわるメーカーもある。もちろん、CPUやバッテリーなどのパーツも高価だ。

 僕は、過去何台となく本格モバイルノートを購入しているが、素晴らしい製品ばかりだ。1キロ程度の軽さで実質5時間以上バッテリー駆動する「dynabook SS RX2」は、とても実用性が高い。

 また、ラフに持ち歩いてもほとんど故障がないLet's noteシリーズも高く評価している。

 ところが、これらの本格モバイルノートの実売価格は20万円台半ばとネットブックよりも割高で、かなり買いづらい。