厳しい就職環境を勝ち抜いて念願の内定を取り付けた女子大生。
ところが内定通知後、会社からはなんの連絡もなく、正式な採用通知も届かないという事態に。
不審に思った彼女が会社の人事部に問い合わせてみると、「あなたから内定辞退のメールをいただいたので、すでに採用は取り消してある」というではないか。
なんと友達が犯人!
もちろん、彼女は内定辞退のメールなど出した覚えはない。
人事担当者にそのことを説明し、なんとか採用してもらいたいと懇願する彼女だったが、「すでに、代わりの人に採用通知を送ってしまっているので無理だ」と断られてしまった。
どうしても納得がいかず、警察に相談したところ、驚くべき事実が判明した。サークル仲間の男子学生が、彼女のIDとパスワードを使って大学のコンピュータに不正アクセスし、彼女になりすまして内定辞退のメールを送信していたのだ。
彼は不正アクセス禁止法違反で逮捕されたが……。
ここで紹介したストーリーは、現実に発生した事件をもとに創作したもので、大筋は事実に沿っている。この事件から得られる教訓は、親しい友人といえども、IDやパスワードを知られてはならないということだ。
覚えやすいパスワードは危険
多くの人はIDやパスワードを決めるとき、自分や家族の誕生日、電話番号、住所、趣味などをヒントにすることが多い。