日本をはじめ、世界中の渡航先から中国人の「爆買い」のニュースが伝えられているが、中国では最近、オンラインショッピングでも一気に海外製品への注目が高まっている。昨年あたりから、特に高価な海外製品がより多くの消費者の注目を集めるようになった。政策面でも上海などで輸入品販売サイト開設が促進されており、日本製品・日本企業にとっても、中国国内外でかつてない「売り時」到来といえる。

他人を信用できない中国で
小売りは何よりも「信用第一」

AlibabaのB2Cサイト「天猫」

 まずは中国のオンラインショッピング事情から紹介しよう。昨年の中国ECサイトの市場規模は、前年比67.5%増となる2兆8000億元(約56兆円)。日本の楽天やAmazonなどB2C(企業対個人)のECサイトの市場規模11兆2800億円(2013年、経済産業省)と比べると、いかに中国のオンラインショッピングサイト市場が急激に拡大し、日本を追い越し大きく差をつけたかがわかる。オンラインショッピング利用者は、インターネット利用者6億4875万人の55.7%にあたる3億6142万人、スマートフォンなどモバイルでの利用者は2億3609万人(スマホとPC両方の利用者含む)となっている。

中国国内市場のB2Cでは天猫が強い
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 中国のECサイトの主役は、阿里巴巴(Alibaba)のB2Cサイト「天猫(Tmall)」と、日本のヤフオク!のようなC2C(個人対個人)サイト「淘宝網(Taobao)」だ。オンラインショッピング黎明期には、C2Cの淘宝網が安さで人気を博したが、その後淘宝網でのB2Cの出品も、C2Cに迫る安さと何よりニセモノを掴まされない安心感で人気になっている。この淘宝網では日本語パッケージの日本向け商品も取り扱っており、そのニセモノも主にC2Cで売られている。

 消費者の意識はどうか。調査会社のiResearchのレポートによれば、購入商品に求めるもの(複数回答可)は、「品質(47.7%)」と「値段の安さ(46.9%)」が最も意識され、以下「サイトの安全性(35.9%)」「サイトの信用性(35.4%)」「サイトの支払方法(32.5%)」「返品対応などのアフターサポートの有無(31.6%)」「評判のいい配送サービスを使っているか(30.6%)」「サイトの商品やブランドの豊富度(28.5%)」「サイトのサポート体制のレベルや態度(25.9%)」が続いた。