コミュニケーションが苦手という人は、ほぼ例外なく「話すのが苦手」。でも、話し下手な人ほどうまくいく、やり方があります。この連載では、話し下手ほどうまくいくスキルを伝えていきたいと思います。

話し下手は「話す」ことを気にしすぎ

私の知り合いにノンちゃんというグラフィック・デザイナーの女の子がいます。
仕事はとてもよくできるのですが人見知りしやすく、初対面の人はもちろん、何回か会った人でもなかなか打ち解けて話ができません。

相手が年上の人だとそれだけで固まってしまったり、自分がしゃべるのを皆が聞いていると思うと緊張して頭が真っ白になったり、何とかしゃべることができても相手が無表情だと不安になったりするのです。

ノンちゃんもそうですが、
コミュニケーションが苦手という人はほぼ例外なく、「話す」のが苦手です。

例えば相手と打ち合わせしながら、「次はなんて言えばいいんだろう」「こんなこと言って変じゃないかな」「相手はどんな反応をするだろう」といったことを考え、頭がいっぱいになるのです。

「話す」ことばかり意識していると思考がそこで停止し、体まで固まってしまうのです。
「話し下手」というのは実は、「話す」ことを気にしすぎることに原因があるのです。

話し下手な人ほど会話がうまくいく<br />2つの「聞く」と3つの「ステップ」

谷本有香(たにもと・ゆか)
経済キャスター/ジャーナリスト/コメンテーター
大学卒業後、山一證券に入社、社内の経済キャスターに抜擢されるが、会社が自主廃業となり、フリーランスキャスターの道に。フリーの世界で仕事をさせて頂くために、試行錯誤しながら見出したのがこの「アクティブ リスニング」。この技術に出合ってからは、十数年にわたって経済キャスターの第一線で活動し、日経CNBCでは初めての女性コメンテーターに抜擢される。トニー・ブレア元英首相、マイケル・サンデル ハーバード大教授、著名投資家のジム・ロジャーズ氏などの独占インタビューをはじめ、世界のVIPへのインタビューは1000名を超える。Bloomberg TV、日経CNBCなどを経て、現在はフリーで国内外の著名人インタビューや、金融・経済セミナーのモデレーター、Huffington Post、TABI LABO等でコラムなどを手掛ける。また、テレビ朝日『サンデースクランブル』ゲストコメンテーターとして不定期出演中。2015年4月から、日経CNBC『夜エクスプレス』アンカー