共働きなのにお金が貯まらないのは
「内緒」と「不干渉」のせい

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前回のコラムを読んだ方から、「共働き夫婦の銀行口座管理術も教えてほしい」とリクエストがあったので、今回は「共働き夫婦のお金」について考えてみよう。

 収入の担い手が1人のいわゆる片働き夫婦は、共働きに対して「うちよりずっとお金が貯まるのだろうな」とうらやましい気持ちを持っているようだ。しかし、実際のところ収入に応じて「ちゃんと貯めている共働き」は意外に少ない。

「共働きの口座管理術」の話の前に、「共働きなのに貯まらない」要因を見てみよう。個別事情があるにせよ、おおむね次の3つに集約される。

(1)夫婦それぞれが毎月いくら貯めるといった貯蓄の目標がない
(2)生活にかかるお金を分担した残りのお金は、それぞれ自由に使っている
(3)自分のお金の使い道を相手に干渉されたくないから、夫婦でお金の話をしない

 キーワードは、「内緒」と「不干渉」だ。

「自分のお金は自由に使いたい→だからお金のことで話し合いをしたくない→チェックの目がないと自分に甘くなりお金を使いすぎる」といったスパイラルに陥り、世帯年収の割に貯まっていない夫婦になってしまう。

 なかには「上の3つにすべてに当てはまるけれど、貯蓄は軽く1000万円以上あるよ」という人もいるだろう。こういうタイプは、前回のコラムで書いた「5%の貯め体質」なので、放っておいてもお金が貯まるから心配はない。

 みなさんのうち95%の人は自然にお金を貯めることができないので、夫婦間で「内緒」と「不干渉」があるなら、改善に取り組みたい。情報公開することにより、お互いのチェック機能が働き、家計が良い緊張状態になる。

「ちゃんと貯めているの? 残高を見せて!」この言葉を配偶者に年に2回言うだけでも、効果は絶大のはず(これを“良い緊張状態”と思えないかもしれないが…)。