人間は、脳あってこその存在。人の行動、思考、感情、性格にみられる違いの数々は、すべて脳が決めているのです。「心の個性」それはすなわち「脳の個性」。私たちが日常で何気なく行なっていることはもちろん、「なぜだろう?」と思っている行動の中にも「脳」が大きく絡んでいることがあります。「脳」を知ることは、あなたの中にある「なぜ?」を知ることにもなるのです。 この連載では、脳のトリビアともいえる、意外な脳の姿を紹介していきます。
「右脳」と「左脳」の役割
左脳と右脳の存在がクローズアップされたのは比較的新しく、1970年代に入ってからです。
当時、てんかん患者の脳の右半球と左半球とを結ぶ梁、いわゆるの真ん中を切断すると、右半球で発作が起きても左半球に発作が移らないことが判明。そこで、脳梁の切断手術がてんかんの治療に応用されるようになりました。
このとき、左右の半球を調べると、右半球と左半球の機能が異なることが判明したのです。
大脳皮質は動物が高等になればなるほど発達し、人間の場合、発達した大脳皮質が高度な精神活動を展開します。
しかし、その処理のプロセスにおいて、左脳と右脳とでは役割が異なっていることがわかったのです。左脳には左脳に得意な処理分野が、右脳にはそれにふさわしい処理能力が備わっており、このような処理能力の偏りを側性化と呼んでいます。