積極的に他者と交わることを恥じる文化が
企業内トレーニングを行き詰らせる

 私は、日本の企業内トレーニングの演習化が進んでいないことの原因のひとつとして、積極的に他者と交わる振る舞いを恥じる文化があるのではないかと考えている。そして、それが近年増長していることに大きな危惧を覚える。

 ATD2015に世界80ヵ国から参加した参加者たちは、すれ違うたびに声をかけ合い、立ち止まる度に名刺交換し合った。言葉の問題もあったかもしれないが、日本からの参加者は、その中に入って行くことができていない印象を、私はもった。

 昨年、就職シーズン真っ盛りの時期に、大学OB会へ参加し、われわれOBが名刺を渡し回っても、ほとんどの学生が名刺を返さなかったことに唖然とし、OB同士で顔を見合わせたことがある。

 私が学生だった時代は、われこそはと先輩に名刺を配りまくって、助力を頼んだものだ。日本のビジネスパーソンや、ビジネスパーソンの予備軍である学生は、上品になりすぎていまいか。それを日本の人事部門や教育部門の担当者が増長してはいまいか。危惧しているのは私だけであろうか。

※社名や個人名は全て仮名です。本稿は、個人の見解であり、特定の企業や団体、政党の見解ではありません。