Photo by Ayako Suga
「ANAホールディングスを事業スポンサーとする案に反対する」。スカイマークの最大の債権者であるイントレピッドが、スポンサーに内定していたANAに牙をむいた。関係各者の思惑が渦巻くスカイマークの再建はどう決着するのか。債権者集会に向けて鍵を握るのは債権者2番手のエアバスの動向だ。(「週刊ダイヤモンド」編集部 須賀彩子)
5月29日、民事再生手続き中のスカイマークは、東京地方裁判所に再生計画案を提出した。
投資ファンドのインテグラル、ANAホールディングス(HD)、そして日本政策投資銀行と三井住友銀行が折半出資で設立する投資ファンドの3社が計180億円を出資し支援するというのが柱だ。
計画案の提出後、関係者は国土交通省にそろい、手を取り合って写真撮影に応じるなど、チームワークの良さをアピールしてみせた。
これによりスカイマークは、再生に向けて大きな一歩を踏み出したはずだった──。
ところが、ちょうど同時刻、当事者たちさえ思いも寄らない、もう一つの再生計画案がひっそりと東京地裁に提出されていた。
提出したのは、スカイマークの最大債権者である航空機リース会社の米イントレピッド。計画案には、「ANAHDを事業スポンサーとする提案に反対」と明確に記されていた。
イントレピッドは、これより2カ月前、スカイマークに「ANAをスポンサーに選定すべき」との書簡を送っていたほどだった。にもかかわらず態度を一転、ANAに反対する対抗案をたたき付けたのである。
なぜ事態がここまでこじれたのか。これまでの経緯から、その理由が見えてくる。