経費削減計画は1年前倒し2000人の直販社員を武器に医療保険などを拡販する富士火災海上保険社長 近藤 章
撮影:宇佐見利明

──前年度決算では900億円を超える有価証券評価損を計上し、596億円もの最終赤字に陥った。社長就任に当たり、周りからは、「なぜ火中の栗を拾うのか」と言われている。

 ひと言でいえば、責任を感じているからだ。2005年度から07年度まで当社の社外取締役を務めていた。昨年度は私的な理由ではずれていたが、その間に巨額の有価証券評価損を計上する事態になってしまった。

 また、株式の持ち分が40%を超える大株主の旧AIG(現チャーティス)の一員としてもチェックできなかったことに責任を感じている。そのために社長を引き受けることにした。