元祖クロナッツの進出で表参道が新たな食の聖地に表参道に海外初進出した「DOMINIQUE ANSEL BAKERY」
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「びっくりするほど繁盛しているペイストリーショップがあるのでぜひ行ってみてください」

  ニューヨークのアパレル会社の社長にそう言われて、昨年の2月に行った時には行列で入ることができず、10月の訪米時にようやく入店することができた店があります。

元祖クロナッツの進出で表参道が新たな食の聖地にNYの本店前の行列

 それが、ペイストリーショップ「DOMINIQUE ANSEL BAKERY (ドミニク アンセル ベーカリー)」。行列ができにくいことで知られるNYで毎朝、長蛇の列ができる人気店です。

 その行列店の日本1号店がついに本日6月20日(土)、表参道にオープンします。2015年最大の黒船とも呼ばれる同店は、何がそれほどまでの人気につながっているのか。その秘密は、シェフの“お客様に喜んでほしい”という純粋な気持ちからくる革新的な商品開発にありました。商売の原点を追求する同店から、繁盛店になるためのコツを学びましょう。

画期的な商品開発で有名店に成長

 NYで人気が出た一番の理由は、クロワッサンの食感をドーナッツで楽しめるようにした革新的な商品「クロナッツ」の存在です。日本でも2014年には類似商品が様々な企業から販売され、一躍大ヒットアイテムとなりました。

元祖クロナッツの進出で表参道が新たな食の聖地にこれが“元祖”クロナッツ

 タイム誌が「2013年の最もすぐれた発明品 25」の一つとして指定するほどの斬新さで、「食業界のスティーブ・ジョブズ」と評する人もいるほどです。さらに、クロナッツのフレーバーは毎月1種類のみで、2度と同じフレーバーを提供することはない点が希少性を持ち、人気が途絶えない理由となっています。

「100店舗つまらないお店を出すよりも1店舗、素晴らしいお店を作りたい」と語るパティシエのドミニク・アンセル氏は、パリの老舗ペイストリー「フォション」や、ニューヨークのミシュラン3つ星レストラン「ダニエル」で、エグゼクティブペイストリーシェフを務め、2009年には業界誌で「全米トップ・ペイストリー・シェフ10人」に選出されました。独立してNYに「ドミニク アンセル ベーカリー」をオープンさせた以降も、さまざまな賞を受賞し、2014年7月には世界最大手のキュレーションサイトで、「死ぬまでに行きたい世界のベーカリー25」にも選ばれています。