実はすごいガラケーの進化
法人ユーザーも市場を下支え

 新機能やアプリが次々と登場し、目に見えて進化してきたスマホだが、実はガラケーも地味ながら、今もなお着実な進化を遂げている。

 たとえば、パナソニックが2008年に発表した機種と、14年に発表した機種を比べてみると、カメラの画素数(320万画素→510万画素)、電話帳登録件数(1000件→3000件)、バッテリー(800mAh→1000mAh)、店頭価格(4万3200円→2万8800円)など、基本的な機能や価格を磨き上げてきた。

「当社製品の平均使用期間は5~6年。毎年、少しずつ伸びています。なかなか壊れず、安定した品質で使いやすい。そうした長所をさらに伸ばすように研究開発をしています」(パナソニックモバイルコミュニケーションズの加宅田・フィーチャーフォン事業総括)

 基本機能を磨き上げる背景には、法人ユーザーの存在もある。パナソニックはユーザーの3割強が法人。スマホのように、時として不具合を起こし、大切な顧客情報が登録してある電話帳データが飛んでしまうというようなことがあれば、億単位の損害につながるケースもあるだろう。目玉の新機能をぶち上げる必要はないが、基本性能に関しては妥協をしないモノづくりが、ガラケーには求められているのだ。

 そして地味ながら、技術ノウハウの蓄積が日本メーカーにはあるため、新規参入もしづらい市場だ。実際、過去にはLGやサムスン電子など韓国勢がガラケー端末を作ったことがあったが、さして話題にもならず、いつの間にか消えて行った。

 気がつけば、ガラケーは大々的には売れないが、着実にファンがいて、開発コストもたくさんかけずに済むという、地味ながらも安定した市場になったと言えるだろう。キャリア側からしても、儲けは薄いが、使用上のクレームや修理が少なくて済むから、コストのかからない商品だ。

 つまり、キャリアやメーカーにとっても「実はそこそこ美味しい市場」なのが、現在のガラケー(ガラホ)市場。スマホ世代がシニアになる頃には、さすがに消滅しているかもしれないが、当面は確実に存在し続けることだろう。

(ダイヤモンド・オンライン編集部 津本朋子)