実践、モダン・カンポウ
風邪の場合

 モダン・カンポウの効果を実感できるフローチャートを紹介しよう。ターゲットは風邪。

「モダン・カンポウ」的手法で<br />漢方薬を試してみる※新見准教授への取材を基に本誌作成。番号はツムラ医療用漢方製剤(エキス剤)の製品番号

 俗に風邪に葛根湯というが「飲んでも効かなかった」という方も多いのではないだろうか。実は風邪に対するフローチャートは意外に細かい(上の図参照)。どんな風邪にも同じ量の総合感冒薬という西洋薬の処方より、はるかに細分化されている。

 まず、漢方特有の体質分けが必要。胃腸が丈夫でがっちりタイプの「実証」と、胃弱のきゃしゃなタイプ「虚証」の二つだ。この時点で「面倒だな」と感じるかもしれないが、モダン・カンポウなら実に簡単。「健康なときに麻黄湯を1包だけ飲んでみてください。麻黄湯が普通に飲める人は『実証』、ムカムカして飲めない人が『虚証』。少しなら飲めるという人は『中間証』です」。麻黄湯は虚実のリトマス試験紙なのだ。  

「モダン・カンポウ」的手法で<br />漢方薬を試してみる

  ただ、麻黄湯にはエフェドリンという交感神経を刺激する成分が含まれている。ドキドキしやすいので、心疾患や重度の高血圧がある方は、初めから麻黄湯を避けた方が無難。

 さて、自分の虚実を見極めたら、風邪気味になるのを待とう。

 まずは風邪の初期。ぞくぞくして「風邪をひいたかな」という時期に、急性期用の麻黄湯(実証)、葛根湯(中間証)、麻黄附子細辛湯(虚証)を飲む。お年寄りや病後で体が弱っている超・虚証とでもいうべき方は香蘇散_がいい。

 その後は温かくして、できればベッドに入る。じわーっと汗をかくためだ。仕事のときは1枚多く着込み、汗をかくまで3~4時間置きにエキス剤を飲み続けよう。すでに熱がある場合も、まだ汗をかいていなければ、やはり急性期のエキス剤を飲むのが大原則である。

「じわっと汗が出始めたらしめたものです。すぐに良くなる可能性が高い。汗をかいたら急性期のエキス剤を中止してください。そのままでもよいのですが、何となく心もとないときは、亜急性期のエキス剤に切り替えます」

 すでに汗をかいていたら、亜急性期用のエキス剤からスタート。風邪が抜けた後で体力が落ち、足元が頼りない場合は、体力増強作用がある補中益気湯で体調を整えるといい。

 自分の虚実が不明な方は、マイルドな虚証用のエキス剤から試してみよう。すっきり軽快しなければ、一つ上の中間証用(ややマイルド)、次に実証用(ストロング)とレベルアップしていくのがこつである。