「できない女性が上のポジションになって、失敗したらどうするんだ!」「できないのに昇進させられない」という人には、「できない男性で、上のポジションになり、失敗して来た男性もいたではないか?」と問いたい。

 そして女性は全員いつも成功しなければならない、管理職やリーダーとなる女性は全てが魅力的で成果を上げなくてはならない、などという妄想にとらわれるのは、辞めた方がいい。男性管理職や、男性リーダーが、全て魅力的で、いつも成功して来ている訳ではないのと同じだ。上手く行かないケースも出てくるだろう。しかしうまく行かなかったケースを取り上げて、「女性はダメだ」と総論でまとめるのも間違いである。そんなことを言ったら、数々の上手く行かなかった男性もいる中「男性はダメだ」ということになってしまう。女性も男性も、同じ確率で成功し、失敗する。それが現実だ。

 また、上手く行かない男性がいた時に、○男はダメだったから、○郎にしよう、と考えるように、○子がダメだったら、○代にしよう、といった考えで、人選をしていく必要があるだろう。場を与えて、伸ばすという方法をとらずして、「徐々に」とか「自然に」ということをいっていたら、何年かかっても日本の職場は変化しない。

 私はウーマンリブを推進しているわけでもないし、女性が優位になることを希望する人間でもない。多様性というダイバーシティを日本社会にも浸透させ、健全で、元気な社会をつくりたいと考えている一人である。

 今まで男性にゲタを履かせ、男性優位の社会をつくってきた日本の社会の中で、ダイバーシティを実現させるためには、今回の「女性の活躍推進法案」で示された、公表義務の次のステップとして、クオータ制の「時限的導入」が必要だろうと考えている。時限法案として、たとえば、15~20年間のみ、女性の議員比率を定めたり、取締役等の役員比率を決めて、強制的にでも男性女性ともに、ストレッチをし、互いに助け合い、学び、働くということをしたら、その後には、新しい社会構造が見えてくるのではないかと期待している。

 今、日本がしようとしているのは、決して女性にゲタを履かせることではない。男性に、そろそろゲタを脱いでほしいと言っているだけなのである。