マイナー市場に参入
「自社商品を流行にリンクさせる」

 同社がゼリーの市場に参入したのは2003年のこと。常温商品は数多く存在したが、マイナーだったチルドゼリー市場に着目し、当時、定着しつつあったワード「セラピー(=癒やし)」をコンセプトに商品を発売した。

 だが、デザート市場に知見はない。そんな彼らがなぜ、既存の商品が苦戦するなかで売り上げを伸ばすことができたのか。結論を言えば「自社商品を流行にリンクさせてきたから」だ。紀井氏は話す。

生パインにグレープフルーツゼリーをかけたレシピ。フルーツ×ゼリーの夏にぴったりな組み合わせだ

「近年は、期間限定商品にも力を入れています、たとえば、今夏限定の『スイートピンクグァバ』。グァバという南国の果物と、ピンクグレープフルーツを使った商品です」

 これだけ聞くと「競合各社も新しい味やコンセプトの商品を出しているはずだが」と疑問に思うが、フジッコはトレンドを捉えていた。「たとえばアサイー(ブラジルで一般的な栄養価が高い果実)やドラゴンフルーツなど、近年、あまり聞き覚えがなかった南国のフルーツが注目され、受け入れられる土壌が明確に見えていたからです」。

 商品開発だけではない。14年の冬に「サングリアスタイル」を出した時も同様だ。サングリアとは、フルーツをつけたワインにシナモンを少々加えたもの。提案したのは紀井氏の部下に当たる森依子さんだ。

「女子会や外食先で、私の友人たちがよくサングリアを飲んでいたんですよ。気になって社内の女性やモニターさんに聞いてみると『サングリアって最近よく飲むよね』という声が返ってきました。しかも12~1月は、年末年始のパーティーシーズンです。そこで、容器もパーティーに似合うものをつくり、アルコール度数は1%未満で誰でも食べられる商品にして販売したんです。これも、非常に人気がありましたね」