実際、武田の役員報酬は、国内製薬会社で突出する。しかも、そのメンツは、米国籍を持つ山田忠孝CMSO(6月26日付で退任)の9億円超えを筆頭に外国人ばかりだ。

 一方、武田の昨年度決算は、米国での糖尿病治療薬「アクトス」訴訟の和解金計上で、上場来初の赤字。さらに、6月12日に、高血圧症治療薬「ブロプレス」の誇大広告で、厚生労働省から業務改善命令を受けた。追い打ちとなるロジェ氏の退任に、武田の日本人社員からも「正直、やる気が削がれる」と士気低下の声が漏れる。

 OBたちが長谷川会長の経営責任を問い、大荒れとなった昨年とは違い、今年の総会は、表面的には平静を保った。とはいえ、「2年はあまりに短い。この役職では非常に例外的」と、ロジェ氏の喪失を嘆いてみせたクリストフ・ウェバー社長CEOにも、株主からは「骨をうずめるつもりはあるのか」という際どい質問が飛んだ。

 “青い目”の武田は失地回復できるのか。株主の見極めはこれからが本番だ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 宮原啓彰)