赤ちゃんこそが最強のプレゼンターである
もう一度思い出してください。
プレゼンの目的は「相手を動かすこと」でした。
赤ちゃんほど、確実に相手を動かせる存在はいません。
いまこうしてあなたがこの記事を読んでいるということは、あなたも幼いころ、見事に周囲の人を動かし、成長を遂げてきたという証です。
もう少し具体的に説明してみましょう。
たとえば、100人規模のセミナー会場に私と赤ちゃんがいたとします。
プレゼンのプロフェッショナルである私も、「相手を動かす」という観点からすれば、おそらくこの赤ちゃんには勝てないと思います。
たしかに最初のうちは、聞き手は私のプレゼンに集中してくれるかもしれません。
しかし、時を経ずしてこの赤ちゃんが大声で泣き始めた途端、私が100人から集めていた視線は、一瞬でこの赤ちゃんに奪われることになります。
こうなれば、もう赤ちゃんのペースです。
そのあと、いくら私がとっておきの興味深い話をしても、赤ちゃんが泣いている限り、関心を私のほうへ向けることはできません。
もしミルクの入った哺乳びんを持った保育士さんが会場にいようものなら、の保育士さんはすぐに赤ちゃんのところへ近づいていくでしょう。
私が「西脇にミルクを飲ませることのメリット」をクールなスライドを使ってスマートに説明してみせようとも、もはや相手にされないはずです。
こういうケースでは、赤ちゃんの「相手を動かす力」にはかないません。
お子さんのいらっしゃる読者の方なら、実際にこれと似た“敗北”を味わった経験をお持ちでしょう。