がんばれ社長!の武沢信行氏との対談。同じ商品を売っていたセールス仲間であり、苦難をともに知る2人が、営業における現在の境遇と本来あるべき姿を語る。
『「3つの言葉」だけで売上が伸びる質問型営業』の著者・青木毅氏による連載第6回。 (撮影/熊谷章)
営業から会社を変えていくためには?
青木 今、「営業」が一番つきたくない職種だそうです。
武沢 ……実は、私も「営業」のイメージが低かったんです。
青木 えっ! そうなの⁉
武沢 当時、営業にやりがいを求めようと、その手助けとなる本を探していたら、『私はどうして販売外交に成功したか』に出合いました。買ってすぐファストフード店に入って、あっと言う間に読んでしまった。あれがなければ、営業の人生観は変わっていなかったかもしれません。
青木 それはいい出合いでしたね。
武沢 はい。誇りをもって、営業マンになれた瞬間でした。それまでの自分は、お客様に断られたり、商材が売れなくなったりして、セルフイメージが乏しくなっていた時期でしたから。
青木 本書に書きましたが、私もオグ・マンディーノ氏の本を読んで、営業に対する考え方が変わりました。本から学ぶことも多いですが、最近、会社のなかで営業の良さを教えてくれる先輩がいなくなりましたね。逆に、先輩が情けない姿を後輩に見せている。訪問先から帰ってきたら愚痴を言って、飲み屋でもさらに愚痴を言って……。私のHPにくる人の多くは、「つらい」「苦しい」というキーワードで検索してきているんです。
武沢 つらそうにしている人、営業のイメージはそのように映るのでしょうか。
私がコンサルティングを通して見てきたなかで、うまくいっている会社は営業がかっこいい。営業から役員になっていくような会社はうまくいっていますね。そうではないところは、会社全体が沈滞気味。まずは、営業像を変えていかねばなりません。営業は本来、会社の飛車角を担う存在。GPSを付けているところがあるなんて聞きますけど、それではダメですね。