1つ目の答えはイエス。深い議論は、26日開催のセッションに於いて掘り下げる予定だが、知人の多くが複数の上場企業の役員を務めている上、私自身も上場企業等の社外取締役、また、社外監査役を務めさせていただいている体験からいうと、役員会の議論に、違う背景や、違う立場の人が入ることは大変有効だと思われる。今までの経営の物差しが一つの手法で議論されていたとすると、違う視点が加わることで景色が違って見える。同じものも、違う形や、色に、見えてくるのだ。そして、それが繰り返されるうちに、更にまた新しい視点での議論ができるようになる。同じ目的に向かって力を合わせる異なる視点があることが、性別に関係なく重要だからである。英語では、Board Diversity (ボードダイバーシティ)、と呼ぶが、役員会が多様な視点で議論を進行することは企業価値を高める。アメリカでは女性役員が3名以上いる企業の業績が一般企業より高いことも数値で証明されている。

 2つ目のどうやって探すのか、適任者がいるのか、という点。適任とは何かということも議論する必要があるが、経営経験がある女性、または、法律や、会計・財務、国際ビジネス、戦略等の専門家の女性は数多くいる。私たちの会社でも「女性スピーカーズギルド」という名称で女性専門家の講師アレンジをしたり、企業からの依頼を受けて女性の取締役や監査役の人材紹介をしているが、登録している豊かな経験のある女性たちは大勢いる。専門家や適任者がいないということは、ないのだ。

 選んだ女性が失敗したらどうしよう。という心配もいらない。男性も失敗する人がいるように、女性だって上手く行かないことはある。しかしそれは、そのタイミングで、その女性が機能しなかっただけで、女性がわるいわけでも、その人が将来もダメだということでもない。男性と同じだ。

 女性役員は必要なのか、と抵抗がある人は、男性役員だけでいいのか、または、男性役員だけでなくてはならないのか、と考えてみると良いだろう。どちらの方が、多様な視点で議論我出来るだろうかと考えてみれば、答えは出るだろう。

「各企業に、少なくとも女性役員を一人」。一人ではどうしようもない、と思う前に、まず第一歩を進めて欲しいと思う。女性管理職を増やすのは、現時点での女性社員の人数等の関係もあり時間がかかるという企業もあるだろう。しかし、役員は、社外から採用すれば良いのだから、社長が決断すれば、来期からすぐに女性役員が増える。簡単なことなのだ。