不祥事の業績への影響を
どう読むべきか

 東芝の場合、今のところ「不適切」に計上された利益の額がまだ確定していない。そのほかに、考慮すべき要素として、不祥事が今後の業績に与える影響の問題がある。

 例えば、食品会社の品質管理に問題が生じたようなケースでは、消費者がその会社の製品を今後どの程度買い控えるのか分からないことが多い。かつて安定した業績とブランド価値を持っていた雪印乳業の場合、製品の品質に関わる不祥事の発生に伴って消費者が一気に離れ、メグミルクと名前を変えて小さくなって生き残るしかなかった。

 逆に、オリンパスの場合は、主力商品であった医療用の内視鏡は、医師のマーケットに強く食い込んでいて、同社の粉飾決算の影響を大きくは受けなかった。

 東芝は、製品とビジネス分野が多岐にわたる点で、不祥事の影響を評価しにくいが、製品の品質に影響するようなものではないので、どちらかと言えば、オリンパスの方に近いのではないだろうか。

 もちろん、「不祥事後の適正株価=不祥事前の株価−不祥事の評価額」という関係を意識するとしても、不祥事による投資家間でのイメージの悪化などもあるので、買いを狙う場合の目標株価として、余裕としての「不祥事ディスカウント」の幅を見ておく必要がある。

 これは、企業により、投資家の好みにより、また投資に想定する期間によっても異なるので、一概には言えないが、追加的な業績の悪化がなければ、「人の噂も七十五日」という諺があるごとく、時間の経過が問題を解決してくれる場合がしばしばあることを指摘しておく。

 いずれにせよ、投資家にとっては、ネガティブ情報にこそ注目する価値がある場合が多いことと、注目企業の発行株数を覚えておくべきことを頭に入れておいてほしい。