日本は今大会、国会会期中だったため、下村大臣も五輪担当の遠藤大臣も現地入りを希望されましたが、大臣派遣が認められず、やむなく断念。代わりに、文科省から藤井副大臣に渡航していただきました。今後ワールドカップの決勝に自国代表が進出したとき、スポーツ行政を所管する文部科学大臣ができるだけ現地に行けるよう、このあたりは与野党を超えて、スポーツ外交の重要性に理解を広げないといけないと思います。

改めて光った「佐々木采配」
注目を集めた異例のGK3人起用

 なでしこに話を戻しましょう。

 大会直前のFIFAランキングで日本は4位。2011年の優勝の後、アメリカをはじめライバル各国が日本を徹底的に研究し、もともと日本勢を上回っていたフィジカルに加え、組織力を高めるなどの強化をしてきました。この間、毎年ポルトガルで行われる世界大会アルガルベ杯で苦戦もして、決して前評判がよかったわけではありません。その中で結果を出した佐々木則夫監督のマネジメント手腕の高さに、敬服しています。

 バロンドールの監督賞を受賞している佐々木監督が、どのようにこの大会を迎えるのか。興味深く拝見して印象に強く残ったのが、登録メンバーの23人を全員起用したことでした。サッカーファンならば常識だと思いますが、ワールドカップでの登録メンバー全員起用は極めて異例なことです。

 23人枠になったのは男子の02年日韓大会からのことでしたが、98年フランス大会までは22人枠でした。ところが多くのチームが、ゴールキーパーの万一の負傷に備えて3人分をキーパーで使い、ミッドフィルダーやフォワードの選手を泣く泣く選外にするデメリットが目立ったため、23人に増枠された経緯があります。

 通例では、第三ゴールキーパーは滅多に試合に出ることはなく、この枠をムードメーカーにあてがうといったメンタル面の“補強策”をする監督もいます。2010年に開催された男子南アフリカ大会の岡田武史監督のように、代表から遠ざかっていたベテランの川口能活選手をあえて招集したのは、その典型例でしょう。ピッチ外も見据えた岡田采配が冴え、この大会で日本は決勝トーナメントに進出しました。