すべては「憲法成立の真実」を知ることから始まる

細川氏はいま、「美しい憲法の会」の世話人として各地で講演し、多くの人たちに語りかけているが、その手応えについてこう語った。

「なぜ憲法改正が必要なのかを、同世代の女性たちに話すとき、日本国憲法の成立過程から話します。世の中の専門家にとっては基礎的な知識でしょうけれど、40代のママたちの中には連合国軍総司令部(GHQ)が作り、当初は日本に自衛権も認めないひどい内容だったことも知らない人がいます。マッカーサーが、『外敵の侵略を受けても、日本は戦ってはならない。自衛のための戦争であっても戦ってはならない』という条項を設けようとしたのを、さすがにこれはひどすぎるということで削除した。削除はしたけれども、それだけ日本を徹底的に潰してしまおうという精神で作られた憲法だったことを話すのですが、そのようなことを知らない人が多くいるのです」

占領下の日本には権限はなく、GHQが全権限を握っていた。独立を回復したとき、日本が日本なりの憲法を作ろうと考えるのは当然でしょうという細川氏の考えには、ママ友たちも合意するという。
「私たちの世代も、戦争の時代のこと、戦後のことはほとんど習っていません。ですから本当に基本的なところから始める必要があります」と細川氏。

「美しい憲法の会」は、2016年の初夏までに1000万名の憲法改正に賛同する人々の署名を集める目標を立てた。そうした動きに多くの女性たちが関わってくれることが、私にとってはうれしくも力強くもある。