これまで、どのようにエクセルセミナーを拡大していったかについて話しましたが、ここまではすべて個人向けセミナーの話。今回は、企業研修についてお話します。
実は、企業研修についてはかなり早いタイミングから力を入れていました。個人向けセミナーを始めたのは2014年11月ですが、同じ時期から企業に伺ってエクセルを教えるという活動を続けていました。
その理由は、このセミナー事業の拡大戦略の柱である「フェイスブック広告」にかけられる費用をねん出するためです。企業研修であれば、個人向けセミナーと違って会場代がかからないため、利益が出やすいという理由もあります。
では、知名度もない私がどのように企業研修を獲得したか。大きく2つです。
(1)個人向けセミナーで、企業研修を紹介
私は個人向けエクセルセミナーを開催するときには、必ず企業研修もやっていることを紹介します。個人向けセミナーに参加して、このセミナーに魅力を感じてくれた方は、会社に戻って、社内研修担当者の方にエクセルセミナーを推薦してくれれば、社内研修担当者も、「社員が実際に勉強になったと言っているのだから信用しよう」となるわけです。私がゼロから研修担当者に営業に行くよりも、はるかに説得力が上がります。
個人向けセミナーというのは、それ自体が収益を生むものではありますが、同時に、企業研修を獲得するための「展示会」という位置づけでもあります。
(2) 無料キャンペーンで、企業から信頼を獲得
もう一つは、企業に営業に行って、研修を獲得するというスタイルです。ただ、単純に営業に行っても、セミナーの良し悪しはなかなか伝わらないもの。そこで始めたのが、フェイスブック上で、「今なら1回だけ無料で研修します」というキャンペーンを告知しました。
無料で一回研修して、それが良いと思ってくれたら、2回目以降は有料で開催という形ですね。これはかなり効果がありました。研修を依頼する立場からすると、一度無料で開催してから、その後さらに依頼するか考えればいいわけです。私の立場からすると、わざわざ営業資料を作ってミーティングで説得するよりも、普段開催しているものと同じ内容を2時間やるだけなので、手間も費用もかかりません。
面白かったのは、無料で研修を開催すると、参加者の方からプレゼントをいただくこともありました。スターバックスのプリペイドカードや、その会社の非売品グッズなどもありました。プリペイドカードはもったいなくて使えませんでしたが、よい思い出です。
企業研修は個人向けセミナーよりも、やりやすいです。その理由は、同じ企業であれば、社員のエクセルレベルは似ていることが多いので、進行ペースをコントロールしやすいですね。
また、企業研修の料金(講師料)は、だいたい相場があります。平均で1日40-50万円、高いところだと60万円、なかには100万円近いものもあります。私の研修の料金は、依頼主からの声を聞きながら、安めの30万円で設定しました。
これはやはり、私の知名度の低さが原因です。名もない人が研修をやると、仮に内容がよかったとしても、なかなか高い価格設定はできません。この頃から、この研修のブランドをもっと上げなければいけない、そのために書籍を執筆するという選択肢もあるかな、と思い始めました。