金融商品・保険商品で
オススメできるのは2割に満たない

 株価が好調になると「深田さん、ある商品勧められているんですけど、どう思いますか?」と尋ねられることが増える。どう思いますか? と言いながら、私に背中を押してもらいたがっていることが表情から読み取れる。

「ある商品」は投資信託や保険商品で、大抵の場合、「買わないほうがいい商品」だ。手数料が高い、仕組みが複雑なうえにリスクが高いといったものがほとんど。たまに、詐欺に近い商品もあったりする。買う気満々の人の気持ちに上手に水を差すのは、なかなか難しい。

 有料のコンサルティングはいい。相談者は専門家のアドバイスを求めてきているの
で、商品の仕組みやリスクを説明したうえで、買うべきではないと思ったらそのように伝える。丁寧に説明する時間を取れるので、相談者は理解できるし、納得できる。

 ちょっと困るのは、セミナー終了後の質問だ。ざっと商品性を聞いたあとに「買わないほうがいいと思いますよ。理由は~~~です」とほぼ結論だけの回答となってしまう。

 個室でのコンサルティングのように丁寧に説明できないので仕方ないのだが、買う気満々の質問者は納得がいかない顔をする。ある会場では「深田さんに聞くと、あれもダメ、これもダメって言われそう」とつぶやきながら帰って行った人もいる。セミナーでも「手数料の高い商品はダメ」「流行に左右されるテーマ型ファンドは買わないほうがいい」と話しているので、そのようにつぶやくのだろう。

 そもそも金融商品や保険商品のうち、オススメできるのは2割に満たない。8割以上は売り手の都合で作られた「なくてもいい」商品だと思う。

「毎月40万円もらえる商品」に
お金を預けようと思います!

 一番困るのは、取引先の人が打ち合わせのついでに「この商品、勧められているのですが、どう思いますか?」と聞いてきたとき。読者のみなさんは、そんなことあるの?と思われるかもしれないが、たまにあるのだ。