100年先も残り続ける
“メイド・イン・ジャパン”を作る夢

 天毛氏は、学生時代にバックパッカーとしてアジア各国を旅行中、どんな辺鄙な田舎や山奥にも“メイド・イン・ジャパン”の製品があり、それを見る度に素直に「カッコいいな!」と思ったのだという。

「自分もいつか世界に通用するメーカーを立ち上げ、100年も残るようなを創りたいと思うようになったんです」

 大学卒業後、一般企業に就職。一年後に独立、起業したが、用意できた資本金はわずか30万円だった。そこで、低資本でも行えるソフト開発で、まずは資金を作ることから始めた。

 起業から10年の間、独自に開発した高速メール配信エンジンとメール配信事業のみに特化し、安定した収益を確保することで、ようやく念願のモノづくりに着手することができたのだ。

 だが、最初から「POSレジ」と決めていたわけではなかった。きっかけは、知人が経営する飲食店を訪れたときだった。

「(POSレジが)20年前となにも変わってないことに気づいたんです。これだけテクノロジーが進化しているのに、昔ながらの、台形の大きくてダサいレジを使っているのを見て、『これだ!』とひらめきました」

 調べてみると、一般的なPOSレジは一式導入するのに150万から200万円ものコストがかかる。驚きだった。これでは個人商店や小規模店舗が導入するには負担が大きすぎる。しかも、レジメーカーは大手数社がシェアの8割以上を安定的に占めていて、これでは価格競争も起こらず、最適化が進まないのは当たり前だ――天毛氏はそこに商機を見出した。

「先行企業を圧倒する低価格とデザイン、そして、コンパクトさを兼ね備えた“まったく新しいレジ”ができれば、間違いなく売れる!」

 これまでのPOSレジがバージョン1.0だとすれば、自分が2.0を創りだしてやる――そんな意気込みだった、と述懐する。

 そうして、iPhone発表の際に「電話を再発明した」と言ったスティーブ・ジョブスに倣って、「レジを再発明する」と宣言したのだった。

初エントリーで見事にRed Dot Award “Best of the Best”を受賞した 「ブレインレジスター」。 従来のPOSレジの概念をひっくり返したコンセプトが評価された