いつもの服でも、3つの「首」を見せれば一気に垢抜ける

大山:『いつもの服をそのまま着ているだけなのに なぜだかおしゃれに見える』の中で、山本さんが何度も書かれていることですが、同じ服でも着方によって全然こなれ感が変わりますよね。シャツの袖をどれくらいロールアップするのかとか、どれくらい足首を見せるかとか。

山本:本当にその通りです。衿を立てるだけでも、すっきり細く見えますし。首、手首、足首の3つの「首」を見せるのがポイントです。それからよくお伝えするのはインしたシャツのブラウジング(たるませる)の仕方ですね。ほんの少しパンツから引き出してたるませるだけで、急に垢抜けて見えます。

大山:ブラウジング、大事ですよね。

山本:「シャツをインするとどうしてもお尻が気になる」というお客様には、「前だけインして、後ろはシャツを出しちゃっていいんですよ」とお伝えします。「え? そんな着方してもいいんですか?」と、びっくりされていましたけれど、いいんですよね。

大山:僕もジャケットの袖を折り返したり、ジャケットの小さい衿を立てたりするのをオススメすることがあるんですが、男性にはそういった着方に抵抗感がある方もいます。その場合は、無理にやらなくてもいいですよと伝えています。

 ファッションに対する許容範囲って、人によって全然違うんですよね。僕のお客様は、ファッションに苦手意識を持ってらっしゃる方が多いので、そのような方には、階段を一緒に一段ずつ上るような感じで、少しずつ慣れていっていただきます。

山本:そこは男性と女性で違いのあるところなのかもしれません。私は書籍の中でもくり返し「迷ったら、本に載っている写真そのままのこのコーディネートのままで外に出てみてください」と書かせていただきました。「そうやって決めてもらえるところに安心感を感じた」という感想をたくさんいただきました。

___『いつもの服を着ているだけなのになぜだかおしゃれに見える』の中で一押しされていた黄色いカーディガンが、一時期あらゆるお店から消えたという噂もありましたね。

大山:すごい!

山本:本を読んでくださった方に「黄色いカーデ、買いました」と言われることがすごく多いんです。本当に嬉しいですね。

つづく