ほとんどの人が、ワンサイズ上の服を買ってしまっている

山本:大山さんの本にも書かれていましたが、だいたいの方がワンサイズ上の服を着てらっしゃるんですよね。「自分は9号サイズ」などと思い込んで、試着しない方も多いです。でも、シンプルなものほど体のラインがきれいに見えるものを選ぶのが大事なので、必ず試着していただくようにしています。

大山:サイズ選びは難しいですよね。『できれば服にお金と時間を使いたくない人のための一生使える服選びの法則』の中にも書いているんですけれど、お客様にはいつも「試着して3分くらい我慢してください」と言っています。今までの服のサイズ感に慣れていると、最初はジャストサイズに違和感があるものなんですよね。だから、3分待って正しいサイズに慣れる時間が必要だと。

多くの人が間違っている「服選び」

山本:普段ピッタリしたサイズを着てない方って、試着したときは「大丈夫かなあ?」って心配そうにおっしゃいます。でも、ちゃんとサイズが合った服を着ると、それだけで3キロくらい痩せて見えるんですよね。

大山:僕もサイズの誤解については、口を酸っぱくして言うようにしています。でも、一度提案したサイズに慣れてくださると、今度は「今まで持っていた服が大きすぎて着られない」「こんなに大きいサイズを着ていたんだ」と、価値観ががらりと変わる方が多いですね。

山本:大山さんがおっしゃる通りで、私もだいたいジャストサイズの身体にフィットしたものを選ぶんですよね。そうするとやっぱり家にあるものが大きすぎると気づいて、結果的に断捨離ができると言われます(笑)。クローゼットの中もだんだん正しいサイズにリセットされていきます。

大山:よく「スタイリングしてもらったはいいけど、また元に戻ってしまうんじゃないか」と不安に思う方がいらっしゃるんですが、「自分にはこれが似合う」ということがわかると、ほとんどリバウンドしないですね。体に綺麗にフィットして、自分のテンションが上がる服がわかると、毎日が気持ちよくなるから、それ以外の服は着たくなくなる。

___ほかにも、お客様のフィッティングをしているときに気づくことはありますか?

山本:『いつもの服を着ているだけなのに、なぜだかおしゃれに見える』でも書きましたが、女性の皆さんは、スカートのウエスト位置がだいたい低すぎるんです。ウエスト位置を正してあげると、ほとんどの方に驚かれます。「え? こんなに上で履くんですか?」って。そのたびに「いいんですよ。ウエストの位置から下が脚なんですから。ウエストあげたほうが脚、長く見えますよね」って(笑)。もちろん上にしすぎると変ですが、ほとんどの方は今より1、2センチあげていいはずです。

大山:男性の場合は、ジャケットの丈が長すぎると、お直しをしてもらうんですけれど、そのバランスが違うだけで、全く印象が変わりますね。買ったものをそのまま着るのが普通だと思っている方が多いんですけれど、実は、袖丈や着丈など、細かい部分でずいぶん変わりますから、必ずお店の人に見てもらった方がいいです。