女は小物で褒められる。
土日はバッグを変える習慣を
大山:山本さんの『いつもの服をそのまま着ているだけなのになぜだかおしゃれに見える』で印象的だったのは、小物の使い方が僕とはぜんぜん違ったことです。僕の場合は、小物は価格が高めのものを選ぶことが多いのですが、山本さんの本を読んで、安くてもこれだけオシャレな小物がそろうんだとわかったのがとても勉強になりました。
山本:シンプルな服をベースにコーディネートするので、靴やバッグなどの小物はそこに味付けするスパイスのようなものと考えています。だから、数があったほうがいいんですよね。
実は、パーソナルスタイリング後に「小物を褒められた」という感想をくださるお客様が多いんです。女同士は本当に小物をよく見ているから。
もちろんブランドものも素敵ですが、どうしても予算の問題があるので。お客様には「小物はプチプラでもいいので『キュン』としたら買っちゃいましょう」と伝えています。
大山:僕はバッグと靴はできれば長く使えるものにしましょうとご提案することが多いです。実は僕自身も、バッグって2つしか持ってないんです。しかも、似たようなものを2つ(笑)。
山本:ええーっ! 驚きました。そこは男性と女性の違いかもしれないですね。女性の印象って、靴とバッグで大きく変わるんですよね。特にOLさんは、荷物が多いので、普段はA4サイズが入るバッグを使ってらっしゃると思います。だから、毎日は難しいとしても、土日は違うバッグにしましょうと。
大山:確かに、土日は違うバッグを持つの、いいですよね。
山本:バッグって、実はバッグ売り場にはピンとくるものがないですよね? 私はバッグの専門売り場には行かないです。
大山:同感です。僕もお客様をバッグ屋にお連れすることはないです。専門店に行くと、それだけ選択肢が増えてしまうので、その中から自分のファッションのテイストと合うものを探すのが、逆に難しくなるんですよ。それよりも、よく服を買う店で選んだほうがよっぽど失敗がない。しかも、服屋で買ったほうが、わりと値段もリーズナブルですよね。
山本:私もまったく同じ考えです。バッグやアクセサリー、ベルトやメガネなども、お洋服と一緒のショップで買いましょうとお伝えしています。そうすると、自然と手持ちの服とテイストが合うんですよね。あ、帽子も同じです。
大山:そう! 僕、山本さんの本を読んでいて、帽子の提案が新鮮だったんです。僕のお客さんは帽子がすごく苦手で、ハードルが高いという人も多いので。山本さんの本では、コーディネートの中で帽子をかなりオススメされていますよね。
山本:確かに、男性に帽子はハードルが高いのかもしれないです。見慣れないですもんね。女性のお客様は皆さん、「帽子をかぶってみたいし興味はあるけれど、勇気がなくて……」とおっしゃるんです。ですから、似合う帽子をオススメしてあげるととても喜んでくださいますね。つばの狭めの中折れハットは全ての女性に似合うので、私はどんどんオススメします。