自分をいいようにこき使おうとする上司がいる。

 それにはいろいろな理由があるが、ひたすら自分の昇進だけを考え、「部下のことなど一切お構いなし」といった管理職も少なくない。

連載9回目は、そんな“エゴむき出し”の上司に仕事を取り上げられ、ドライバーとしてこき使わるハメに陥りかかった若手社員を紹介しよう。

 彼は耐えに耐えた末、ある行動に出ようとした。それは少々過激に思えなくもないが、筆者は「この上司の下ならば仕方がない」と思う。

 あなたは、このような上司と仕事ができるだろうか。

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■今回の主人公――はい上がろうとする「負け組社員」

 青木秀行(仮名・27歳)

 社員数400人ほどの情報機器販売会社(本社・東京)の営業部に勤務する。入社後4年間は本社に勤務し、営業成績は部員のなかで真ん中ほど。半年前に群馬県の前橋営業所に転勤となった。上司である営業所長の“エゴむき出し”な態度に不満を感じている。

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(※プライバシー保護の観点から、この記事は取材した情報を一部デフォルメしています)

「上司にはゴマすり、部下には脅し」
2枚舌を使い分ける姑息な営業所長

 「全国営業所長会議のとき、本部長のお話を拝聴して発奮しましたから……。また、ご指導を……」

 所長の飯星が、営業本部長の石田からの電話に甘えた声で答える。

 青木はパソコンに向かいながら、それを聞いていた。心の中では、上司の2枚舌に怒りを感じていた。