ABインベブ上陸の意図について、国内ビールメーカー幹部たちにぶつけたところ、皆一様に不安そうな表情を浮かべた。

 それも無理からぬ話だ。日本は世界でもまれに見る閉鎖的な市場であり、これまで外資参入の恐怖に晒されてこなかったからだ。

 世界で大型再編が繰り広げられる中、日本では50年以上も前からアサヒビール、キリンビール、サントリー、サッポロビールの大手4社体制が続いてきた。「日本は世界7位の大きな市場ではあるが、再編が進まずプレーヤーが多過ぎる。参入してももうからない」(外資系ビールメーカー幹部)とされてきたのである。

 加えて、ビール、発泡酒、第三のビールに分類をする複雑な酒税法も存在し、「ビールしか商品を持たない外資にとって参入障壁が高かった」(国内ビールメーカー幹部)。気が付けば日本のビール市場は世界再編から取り残されていた。

 しかし、ついにABインベブは日本に上陸した――。