Q.複数の参加者の心理戦を楽しむ「人狼ゲーム」や「リアル脱出ゲーム」などのイベントが広がりを見せています。インターネットや仮想社会が身近な一方で、リアルの場にしかない価値とは何だとお考えですか。

人と人が高密度で話し、遊び、つながるSNSは
集客手段としても最適・不可欠なツール

A.インターネット、特にモバイルブロードバンドとSNSの発達が、このようなゲームの人気に拍車をかけています。

 なぜならどちらも、小規模な開催である一方で、大人数の参加が必要という点で共通しているからです。SNSは、リアルの世界にとって不可欠なものとなっているわけです。

 例えば、小規模なゲリラ的イベントの開催を、多くの人に告知するのはコスト的にも難しいですが、SNSを使って情報を拡散させれば比較的簡単に人を集めることが可能になります。規模自体は小規模ですから、必要な人数は容易に集まります。つまり、SNSによる集客がまさにベストな方法なわけです。

 そもそも人と人が会って話す・遊ぶ、それも高密度で、というのは一番贅沢な遊びです。これまでは人と人をマッチするのが難しかったのですが、メッセンジャーやSNSの浸透で、一緒に食事に行ったり飲みに行ったりするのが簡単にできるようになりました。

 さらにこのような複数人で行うゲーム好きの人々が、同時にSNSを頻繁に利用するユーザーだったわけです。サバゲーなども新しい遊び方も生まれていますが、一方では麻雀などのひと時代前のゲームも、SNSのおかげで復活の兆しがあります。

Q.新国立競技場の建設計画が白紙となりましたが、今後どのような方法で新国立競技場の全容が決まるのか、建設費はどうなるのかなど、いまだ視界が開けません。国や東京都の予算が入る工事において、国民が納得するにはどのようなプロセスを踏むのがよいのでしょうか。

民間の知恵と資金とパワーをフル活用すれば
税金ゼロで最高機能の競技場が作れるはず

A.そもそも国立競技場があるような超一等地にこのような施設を作る場合、公共性のあるレギュレーションを決め、民間から賃料を取り全面委託するのが正解です。

 国民の税金を一銭も使わず効率的なうえ、民間の知恵でより魅力的な施設・運営も可能になります。これにより新たな人の流れも作り出せるスタジアムを建設することが可能になると思います。

 では、なぜそうした方向で議論がされないのか。

 単純に、予算を獲得し配分をすることが利権になっている人たちが、こうした動きを阻止しようと懸命だからです。

 民間資本がまだ十分に蓄積されていない発展途上国であれば、国家予算が必要になりますが、日本では必要ありません。必要でないにもかかわらず、発展途上国時代からの利権が、今日まで脈々と受け継がれてきているのです。

 税金を使わず、機能・構造とも優れ、公共性も十分に兼ね備えたスタジアムができれば、文句を言う人はほとんどいないと思います。そういう当然のプランを、国民がもっと政府や利権者たちのみなさんに対して、アピールすることが必要ではないでしょうか。