側坐核は、脳内にある唯一の快感発生装置

 脳の底に「中脳」と呼ばれるところがあり、そこにドーパミンを伝達物質にしている神経細胞の集まりがあります。

 そこから、神経(軸索)が伸びていって、皮質(前頭葉皮質を簡略にして「皮質」という)と辺縁部(大脳皮質の縁<へり>のほうにある海馬、帯状回など)の神経細胞につながっている系統ですが、普通の人には、何をして、どこにあるかわかりません。

 系統の始まりであるドーパミン細胞は、普通には経験しない異常な刺激、たとえば、地震、ひどい暑さ、長雨などに反応して、それで起こってくる問題を前頭葉皮質(前頭極、前頭前野、運動前野、運動野)を働かして、解決するのです。

 お母さんが赤ちゃんの微笑をみると、赤ちゃんの喜ぶことをしてあげることになるのです。

 この系統には、「側坐核」が含まれており、この核が働くと快感が発生します。

「C線維カレス系システム」での刺激でも、この側坐核が働いて、快感が発生しています。側坐核は、脳内にある唯一の快感発生装置なのです。

 子どもに何かをさせたいとき、言葉でほめながらやらせますが、子どもは気分がよくなってやります。このとき、「報酬系」が働いているのです。

 報酬系のドーパミン細胞は、おいしい食べ物、チョコレート、お金、恋人の顔写真などでも、働かせることができます。

報酬系は、ヒトとのつき合いを円滑にするのに、役立つ系統なのです。