昔も今もこれからも、
老後資金作りは必須!

 何年か前に出版した30代向けのマネー本の中で、「いまの高齢者も年金だけでは暮らしていない! 昔もいまも、そしてこれからも老後資金作りは必要」と書いたら、30代の読者から「いまのお年寄りは年金だけで暮らしているわけでないのですね。びっくりしました」といった反響が多かった。

 就職氷河期に苦労して社会人になり、やっと入った会社でも給料は低く抑えられている「非バブル世代」の30代は、『年金制度は自分たちが老後を迎える頃には破綻しているかもしれないが(それも極端な考えだけれど)、自分の祖父母または両親にあたる今の高齢者は「有り余るほどの年金をもらっている」』と思っているようだ。

 ゆとりのありそうな生活ぶりを見て、そのように感じるのだろう。しかし、今の高齢者がゆとりのある生活ができるのは、有り余る年金収入があるからなのではなく、老後資金を貯めてきたからなのだ。

 このコラムのメイン読者である40~50代のみなさんは、将来の年金生活についてどう考えているだろうか。失礼ながら、「何とかなる」と思いがちのバブル世代は、年金だけで暮らせるのか、暮らせないのか、などといったことを深く考えたことがない人が多いと思う。

 そもそも日本の年金制度は、現役時代の収入を100%保障する制度設計ではない。2人分の年金収入がある共働き夫婦など例外はあるが、今も昔も原則として「年金だけでは暮らせない」のである。今の収入は、60歳を境に大きく下がることを肝に銘じておこう。

 これらのことを認識するのは早ければ早いほどいい。お金を貯める際に最大のモチベーションになるのは、“危機感”だ。老後資金作りに着手するには、「えっ、自分のもらえる年金ってこれだけ?」といった具体的な危機感が必要なのかもしれない。