家計のバランスシートを
作ってみたら、顔が真っ青に!
8月3日発売の週刊ダイヤモンドは、お盆の帰省に向け「親・子・孫 3世代のお金の話」と題したお金の話の大特集を組んでいる。話題の相続・贈与の解説や実例、定番である家計・保険・年金の話にとどまらず、親とのコミュニケーションの取り方のコツや、3世代旅行の楽しみ方まで取り上げ、個人的にも興味深く読んだ。帰省時に親とお金の話をする際の「予習」に役立ちそうだ(合併号なので今週も書店に並んでいます)。
私は経済評論家の山崎元さんと「家計と投資の実情は? 大金手にした初心者の落とし穴」と題する対談で登場させてもらった。ビジネスマンの家計のまずい実態やよくある投資の落とし穴について、日頃から感じていることを2人で語り合った。
対談記事を読んだ知人女性から「私が一番刺さったのは“(男性は)会社の利益は頭に入っていても、自分の家計の利益は分からない”という山崎さんの言葉」と感想をもらった。「うちの夫がまさにそうなんです」と、苦笑いしている。
50代の会社員向けのセミナーで「1ヵ月にいくら使っているか思い浮かびますか」と参加者に問いかけると、わかる、と手を挙げるのは1割前後に過ぎない、昨年の貯蓄額を言えるのは2割程度という私の言葉に対し、山崎さんが前述の言葉で受けている。
40代後半から50代のザ・バブル世代の男性は、「家計」という言葉は自分には関係ない言葉と考えている人が多い。余談であるが、バブルを知らない下の世代は、男性でも家計を自分事としてとらえているし、シングルでも「家計簿」を付けている人は少なくない。
バブル世代の男性が多く参加するセミナーでは、「わが家の家計」に少しでも関心を持ってもらうよう、家計簿は「決算書」、1年間の貯蓄額は「年間収支」などと、言葉を置き換える工夫をするようにしている。そうすると、自分事として身を乗り出して聴くようになる。
ある企業で社員向けのライフプランセミナーの講師を務めた際、「家計のバランスシート」を参加者が作るワークをしたところ、みなさんの顔が青くなった。青くなった理由をお話する前に、あまりなじみのない「家計のバランスシート」について解説しよう。