志望している業界があまりに多岐に渡る場合には、注意が必要です。人気企業ランキングから選んでエントリーしている場合があるからです。もちろん人気ランキングから志望企業を決めるのは本人の自由ですが、自社が第一志望かを確かめるには、別の角度から見極める必要があります。

 そういう学生は、自分が何をやりたいかや、どんな業界・業種・業態で働きたいかを考える以前にランキングが志望度を左右することになります。またランキング上位の会社ほど彼らは“志望動機”を探すのが楽になります。つまり、前回の記事でも書いたように、企業研究サイトが驚くほど存在し、有名企業ほど企業研究がネット上でなされているため、自分で考えなくとも“志望動機”を書くことが容易になっているのです。

 企業としては、自社で活躍できる人材を測る「コンピテンシー」を持っているところも多く、その人物像にマッチしていればエントリーシートや一次面接については通過する可能性も高まります。ですから面接では、会社を選ぶ際の観点を確認したり、自分にとって理想の会社だと思う条件を挙げてもらうなどの掘り下げが必要です。

 ただし志望業界が多岐に渡っている場合、就職活動をしていく中で志望業界が変化する可能性も大いにありえるので、就職活動をはじめてから志望業界が変化したかどうか聞いてみるのも必要といえます。

 なかには、ただ「内定」を取ったという事実が欲しくて、自社を志望している場合もあります。例えば、内定を大量に取得できた事により自己肯定感が強まり、就職活動自体が楽しくなっている状態です。

 また、敢えて同業他社の内定をとって本命企業にアピールしたいという猛者も存在します。他社で内定を取得したとしても自社で活躍できるかはまた別の話なのですが、10月の内定式が迫っている中での8月採用解禁で、企業も時間がありません。当然として面接官の人員不足により、グループディスカッションや1次2次面接は、人事部以外の社員が対応する場合もあります。そういった面接慣れしていない面接官には、同業他社の内定を持っているという事実はアピールになるケースも多いのです。