成功し続ける企業に共通する
「5つの条件」とは?
イノベーションが自然に起きる健全な状態は、会社のどこかもっと深いところから生み出される。その「どこか」が、私が「ソフトエッジ」(※編集部注:信頼、「知性」、チーム、テイスト、ストーリーの5つの要素からなる)と呼ぶところである。
信頼が土台になって、学習が生まれ、素晴らしいチームがつくられる。そして信頼と学習と優れたチーム、そのすべてによって、いっそう際立ったテイストが生み出される。また、テイストは、「知性」と合わさることで、さらに魅力的なストーリーを生み出し、そしてまたいっそう確かな信頼を築くことへつながっていく。
「ソフトなものは簡単だ」と言った人はこれまで誰もいない。
それどころか、トム・ピーターズとボブ・ウォーターマンは影響力ある著書『エクセレント・カンパニー』のなかで「ソフトなものは難しい」と書いている。
実のところ、信頼を築いたり学習を促進したりすることに比べれば、戦略を指示したり計算をしたりすることははるかにやさしい。持続的なイノベーションの文化を築くには気概と情熱が必要だ。また、今日の市場で目先の利益より長期的な視点に立つことを優先させるには、あふれるほどの勇気が必要不可欠である。
そのため、心しておこう。ソフトエッジで他に勝ることは簡単ではない。だから、本当に優れた会社にしか、それを実行することはできないのだ。
(次回に続く)