事業計画書作成という遥か彼方の目標に対し、どんな情報を集めなければいけないのかを考え、集めた情報をもとに予測を立て、プロトタイプの事業計画を作り、仮説検証を繰り返していく。それを実行していくことで、得られた周辺知識・周辺情報こそが彼らと弊社の財産となっていきました(弊社では、自社で進めている各国のプロジェクトに対し、先輩社員が各国で生活したことのある新卒社員に情報を求めることが多々有ります。それは高度な情報だけではなく、現地で生活したからこそ分かる、生活習慣などの生の情報が重要な鍵となる場合が多いためです)。

 また、研修では決められたカリキュラムを教えられるだけではありません。海外という場で、自ら考え動き触れることによって、「日本での当たり前は、他国での当たり前ではない」という認識をも得られることができます。日本企業文化に染まっていない、新卒だからこそ気づき得られる感覚が、グローバル化を進める企業にとっては後々最も重要になっていくはずです。

30代エース社員or入社5年未満の若手
海外赴任者にふさわしいのは?

 あなたは経営者として海外拠点を作りました。出来上がったばかりの海外拠点で、以下どちらの社員を送り込むでしょうか?

(1)自社の30歳代のエース級人材
(2)経験5年未満の若手人材

 過去の成功パターンをみると、中小企業の海外展開初期においては、経験5年未満の若手人材の登用の方が上手くいきます。では、なぜ自社が誇る30歳代エース級を送り込むと失敗しやすいのでしょうか?

 一言で言えば、エース級人材は日本において優秀過ぎるからです。日本で優秀とされている人材の多くは、責任感がありプロジェクトを自発的に進めるタイプだと思います。後輩や同僚からの相談にもよくのり、いつも明るく前向きで、真面目です。ただ、この素晴らしさが海外赴任となると逆効果に働いてしまうことがあります。