すばらしい人を集めても
自分が信頼されなきゃ成功できない
『稲盛和夫オフィシャルサイト』
確かに、お金に代表される物質的なものは、事業を行っていく上で必要なものですし、一方、人の心は、非常に頼りにならないものでもあるわけです。信じ合える間柄の仲でも、裏切られたりだまされたりするようなことは、日常茶飯事です。
非常に移ろいやすく、はかないのも人の心ですが、同時に、人の心ほど、どのような逆境の中でも頼りになるものもありません。私は、すばらしい人の心をベースに経営をしていくことにしました。
経営のベースを決めた後、私は「頼りにならない心もあれば、頼りになる心もある。その差はどのようにして生じるのだろうか」と考えました。その当時、私は27歳ととても若かったのですが、「これからは人の上に立って一生懸命人を指導し、人の生活の面倒を見なければならない」という責任を感じていましたので、真剣に考えました。
そして「すばらしい人の心を求めても、自分の心がすばらしいものでなければ、決して立派な心をもつ人たちは寄ってこないだろう」という結論に至りました。同僚や部下からの信頼に値するような心を、自分自身がもっているかどうか。そのことが大事だと思いました。従業員に信頼されるに足る心を経営者自身が育てていかなければ、事業はうまくいかないだろうと思ったわけです。
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